こんにちは(こんばんは)!
今回ご紹介するのは、川口 加奈(かわぐち かな)さん。
中学時代の14歳からホームレス問題に取り組み続け、大学2年生の時に任意団体を設立し現在、
「NPO法人Homedoor(ホームドア)」の理事長を務める異色の存在です。
全国で最もホームレスが多いとされる大阪市で、夜回りでの生活用品や食事提供、働き口を作り出し、路上生活からの脱出をサポートしホームレス支援の中でも取り分け異彩を放って、就労支援や生活支援を提供しています。
出典:Twitter
ホームレス問題を生み出しているのは「ホームレスの方々ではない」と解決を探り今も尚、奮闘中です。
川口 加奈さん、14歳からホームレス支援活動するきっかけや、経歴や学歴や彼氏、セブンルールなど探っていきたいと思います。
川口加奈さんの経歴や学歴
川口加奈(かわぐちかな)
生年月日:1991年1月7日
30歳(2021年4月現在)
出身:大阪府高石市
両親と二つ上のお兄さん
座右の銘:この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。
だれからも自分は必要とされていない、と感じることです。
マザーテレサの言葉です。
父親の仕事の都合で、小1~4年生は千葉県浦安市立美浜南小学校
大阪に戻り大阪府高石市立羽衣小学校
私立大阪女学院中学校
私立大阪女学院高校(普通科 理系)
ホームレス問題の研究が進む、大阪市立大学経済学部に進学
2014年(平成26年)卒業
【中学時代】
2004年、14歳
川口 加奈さんは私立中学に通う電車通学をしている時、車窓から見える多くのホームレスの姿を見て「日本は豊かな国のはずなのになんでこんなにホームレスがいるのだろう?」と、疑問を感じていました。
中学2年の冬、
ホームレスに対する炊き出しボランティアの募集に応募し「釜ヶ崎」地区のホームレス支援活動に一人で参加し、これを機にホームレス問題と向き合い続けます。
全校集会で講演会をしたり、校内の新聞に炊き出しを募集するなど自分にできることをどんどん実行していきました。
【高校時代】
川口 加奈さんはボランティア部に所属し「啓発活動」や「夜回り」などの活動を続けました。
高校2年の17歳の時
ボランティア活動に取り組む青少年を称える「第11回 ボランティア・スピリット・アワード」に応募し、米国親善大使に選ばれ全米表彰式に招待されました。
ワシントンDCで
1週間の国際会議に参加し世界各国の日本とは違う、先進しているボランティア活動やスケールの違いに刺激を受けたようです。
改めて
川口 加奈さんは「単なる炊き出し、夜回りの支援活動ではなく根本的に問題を解決するような
活動をしなければホームレス状態は何も変わらない」と気付き、日本で最初にホームレス問題を研究し始めた大阪市立大学への進学を決意しました。
【大学時代】
視野を広げようと世界最大級の学生NPO法人「AIESEC(アイセック)」に所属。
少し自分が思っていた事とのギャップを感じていましたが、2010年、大学2年生の時に「NEC社会起業塾」に史上最年少で参加し起業家としてのノウハウの全てを学び、任意団体「Homedoor(ホームドア)」を設立。
人生というホームからの最後の転落防止柵「ホームドア」の意味と「居場所(ホーム)への入り口(ドア)」の「家への扉」という意味を重ねた願いが込められた名称です。
2011年 NPO法人登記。
【その後】
川口 加奈さんはホームレスの人たちが自転車を駆使していることから、自転車修理技術は得意である事と、駅周辺に放置自転車が結構多い状況から「放置自転車」と「ホームレス問題」という2つの社会課題を同時に解決する「リサイクル×デザイン自転車事業」となる、シェアサイクルビジネス「HUBchari(ハブチャリ)」の事業を開始。
自転車の貸し出し拠点を大阪市内にいくつか設け、どこででも自転車を借り、また返すことができるコミュニティサイクルシステムを誕生させました。
ホームレスや生活保護受給者に担ってもらう(雇用する)ことで、雇用の場を創出するとともに将来的には、放置自転車の減少を模索したのがHUBchari(ハブチャリ)の大きな特徴で就労への復帰の後押しをしています。
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川口加奈さんインタビュー
出典:NIRA総合研究開発機構インタビュー
2012年
世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)が主催する、次世代を担う若きリーダー(若者によるコミュニティ)の「Global Shapers(グローバル・シェイパーズ)」に選出。
2015年
社会の課題解決にチャレンジする、非営利団体を支援する「Googleインパクトチャレンジ」で
グランプリ。
2017年
Homedoorが認定されNPO法人になります。
2017年
青年版国民栄誉賞とされる日本青年会議所主催の「第31回人間力大賞」でグランプリ・内閣総理大臣奨励賞・参議院議長奨励賞受賞のトリプル受賞。
2018年には
大阪市北区の5階建てのビルを借り、包括的な自立支援ができる「アンドセンター」を設立し
17歳から思い描いていた夢が少しずつ実現。
フォーブス誌による
日本を変える30歳未満の30人として「30 UNDER 30 JAPAN」の30人に選出され、ソーシャルアントレプレナー部門で受賞。
2018年に活躍した女性日経WOMAN
「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」で再出発サポート賞。
など
ソーシャルな活動が評価され素晴らしい受賞を、その他多数、獲得。
川口 加奈さんは日々、ホームレス支援活動の内容を充実させ、新たなモデルづくりに取り組んでいます。
川口加奈さんの彼氏は?
川口 加奈さんは2018年4月、渡辺 直樹(わたなべ なおき)さんと結婚をしています。
最初の出会いは、世界最大級の学生NPO法人「AIESEC(アイセック)」所属の時。
後に、世界経済フォーラムで再開し結婚に至っています。
2019年9月には
女の子が生まれて3人で古民家風の家で暮らしています。
渡辺 直樹(わたなべ なおき)さんは1986年大阪生まれ。
大阪府立生野高校
同志社大学社会学部社会学科卒業
大学卒業後、
富士通に就職しますが、3年後の2013年に退職して現在は、まちづくりの計画や活動づくりをサポートし、コミュニティデザイナーという仕事に取り組んでいます。
川口 加奈さん、仕事柄なのか直樹さん曰く「家ではかなり、ダランと過ごして毎日よく寝る」ようで、加奈さん曰く「家族といる時が心の休まる時で一番安心できる」と話しています。
基本、オフの時はまったりしてます。
そして毎日毎日。「Homedoor(ホームドア)」に来られる人も「そんな日常を早く届けたい」と願い頑張っています。
川口加奈さん 14歳からホームレス支援活動!
川口 加奈さんの原点は小学校5年生の時
戦争系文学を読み「自分も戦争に巻き込まれていたかもしれない」「戦争はいけないことだ」と実感したマインドがあり、国際協力の仕事に就きたいと奥底に芽生えていました。
きっかけは、新今宮駅周辺の通学電車の窓から見たホームレスの光景。
近所の子は、わざわざ遠回りして新今宮駅を避けて学校に通うのはどこの親も「近付くな」という、旧来から「釜ヶ崎」と呼ばれる所で、JR新今宮駅近くの「あいりん地区」とよばるエリアです。
かつて、日本で一番多くの日雇い労働者や野宿者、生活保護受給者が集まる地域で、大阪市民も足を踏み入れない、国内有数のドヤ街、危険な地区と言われていまいたが、様変わりしています。
14歳の川口 加奈さん
なぜ新今宮駅周辺を避けるのか疑問に思い、親に嘘をついて一人で炊き出しに参加した事から
ホームレス支援活動が始まります。
普通の環境で育った川口 加奈さんは、ホームレスのほとんどの方たちは非正規雇用出身や日雇い労働出身で生来、普通の環境でなかった事を知りました。
ホームレス問題に対する「自己責任」や「やる気がない」など根強い偏見を解くのは、そう簡単なことではなく、川口 加奈さんがどれだけ「炊き出し」や「夜回り」活動を頑張っても、ホームレスのまま生涯を終える人も後を絶たず、凍死や餓死で亡くなってしまう現状を変えることはできませんでした。
川口 加奈さん
親しみを込めて「おっちゃん」と呼んでいますが、「仕事したい」という、おっちゃんに仕事探して何とかしようとして会いにいきますが、そのおっちゃんは亡くなってしまいました。
言葉にならない呆然とした無力感、「根本にある問題を解決しないと何も変わらない。路上から脱出したいと思ったら誰もが脱出できる。」そんな社会を目指して
19歳の時
「Homedoor(ホームドア)」を設立し、おっちゃんたちと交流を続けました。
出典:出典:Twitter
川口 加奈さん
「ホームレス状態を生み出さないニホンに」という目標をもって就労支援以外にも奮闘しています。
Homedoor(ホームドア)の活動 | |
ココモーニング (モーニング喫茶) | 最初の試み 実態と課題を調査 |
HUBchari (ハブチャリ) | コミュニティサイクル |
アンドセンター | 最も深刻な住居の問題 「そこに行けば なんとかなる」という 宿泊施設 |
ほっと&ハウス | 住まいの提供 |
モノギフト | 寄付してもらった 不要品を 自立支援に活用 |
ホムパト | 生活用品や お弁当を配る 夜回り活動 |
HUBgasa (ハブ傘) | 捨てられている ビニール傘を リメイクして卸す仕事 |
CHANGE (チェンジ) | 実習講座 |
講演 | |
ワークショップ | |
ホームレス問題の授業づくり全国ネットの 事務局運営 | |
おかえりキッチン | 食堂兼カフェ |
等、さまざまな 就労・生活支援事業、啓発事業活動 |
自己責任論が根強い日本では、一度ホームレス状態に陥ると、路上から脱出できる手段はごく限られています。
さまざまな活動を通して「誰もが何度でもやり直せる社会」を目指しています。
川口加奈さんのセブンルール
川口 加奈さん
「セブンルール」に出演し話題になっています。
関西テレビとフジテレビ系列で放送されている、様々な分野で活躍する女性に密着し
「今、最も見たい女性」「今、最も見てもらいたい女性」の7つのルールを手がかりに、女性の強さ、弱さ、美しさなど、その人の人生を映し出す新感覚ドキュメンタリー番組です。
〈「認定NPO法人Homedoor」理事長 川口加奈 の #セブンルール〉
1.路上で出会う人たちは名前で呼ぶ
2.家賃は収入に応じて決める
3.パソコンは置いて帰る
4.朝ごはんは縁側で食べる
5.すべてふりがなを振る
6.施設はダブルミーニングで命名する
7.ホームレスゼロを目指さない pic.twitter.com/PuJ9qXUJ8t— 7RULES (セブンルール) (@7rules_ktv) March 23, 2021
出典:Twitter
川口 加奈さんのホームレス問題と向き合い続けるセブンルールは!
1.路上で出会う人たちは名前で呼ぶ
名前を知ることが第一歩で
名前で呼ぶことで関係性ができる
2.家賃は収入に応じて決める
毎月収める事ができるのか確認し
家賃を払いながら
少しずつ貯金をしていってもらい
次の家を借りるためのステップにする
3.パソコンは置いて帰る
パソコンは事務所に置いて帰る
家に仕事は持ち込まない
4.朝ごはんは縁側で食べる
朝に落ち着ける時間を持ち
朝食はゆっくりと縁側で食べる
5.すべてふりがなを振る
読めない人がいては
助けることも出来ないので
漢字(かんじ)にはふりがなをつける
6.施設はダブルミーニングで命名する
施設のネーミングには
ひとつの語に
2つ以上の意味をもたせること
例)HUBchari(ハブチャリ)は
車輪のハブと
路上生活者と利用者を結ぶハブ
7.ホームレスゼロを目指さない
失敗しても脱落しても
また戻れる社会でありたいから
川口 加奈さん「ホームレス」に関して決して「ゼロにしたい」わけではなく、ゼロや完全にしてしまうと、一度失敗をしたらもうやり直しがきかないし、社会に戻れなくなってしまうので
どれだけ失敗してもやり直せるよう、安心して「失敗」できる世の中になって欲しいと願っています。
川口 加奈さんのホームレスの関わりや経歴や家族、セブンルールの事など書いてきました。
ホッとできる場所を作りたい、正に偉業ですね。
最後に、究極の理想については、こういった問題が解決してHomedoor(ホームドア)が必要とされなくなる事だそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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